暮らしと住まいについて考えています。
小さなコミュニティーを連携させる
 リアルなコミュニティーの規模はどのくらいに考えたらいいのか。決して大きくしてはいけないというのが私の考えです。
それにはコミュニティーの発生の原理を考えるといいと思います。始めはだれか面白いことや先進的なことをいいだし、そこに人が集まるものです。共感できるメンバーが集まり、その人たちがさらに周りの人を巻き込んでいくでしょう。その周りの人も中心的なメンバーに実際に触れ、その集団の知性を一緒に形成していきます。それはお互いに影響を与えながらひとつの集合体として存在していきます。お互いに顔が見え、言葉が交わされ、気持ちが伝い合う規模です。この集合体をコミュニティーと呼ぶならば、それには大きさの限界があります。そこを超えるとお互いの気持ちが伝わなくなります。さらに大きくしようとすると、離反する新たなコミュニティーが産まれてきます。それはむしろよいことで、コミュニティーにはそうした自由度が必要なのです。細胞のように、コミュニティーが分裂し、増殖していくのです。
 またそれらが連携して生命体のようなつながりがつくれていけば、全体としてさらに大きな集合体へと成長していくでしょう。それを社会というのかもしれないし、大きなコミュニティとも呼ぶでしょう。ですので大きなコミュニティをつくろうとすれば、小さなコミュニティーを連合させると考えた方がいいでしょう。もちろん死んでいく細胞があるように、なくなるコミュニティーも当然受け入れるべきでしょう。それぞれのコミュニティーの大きさはそれぞれの中心のメンバーのキャパシティーとコンセプトの力によって決まることでしょう。
 さてこうした連携するコミュニティーですが、それらをつなぎ止めていくためにはさらなる大きなコンセプトが必要になるでしょう。それが善なるもの、社会の望むべき物であれば大きなものへとなるでしょう。

 こうしたリアルなコミュニティーの考え方、ウェブ上でのコミュニティーを考える時にも類推できます。今盛んに大きなコミュニティを作ろうとする大企業のウェブサイト、コミュニティーとは、持続可能である事が何よりも大切、単に盛り上がりを作る事だけではないという事を意識しながら、注意深く進める事が大事だと思うのです。
アンケートと合意形成 comments(0) trackbacks(0)
ウェブコミュニケーションと組織の今後
 企業にとって、共感の仕組みをつくることが大事だとだれもが言う時代になりました。SNSなどの活用も多くの企業が行っていますが、そこでの課題は、コミュニケーションから見えてくるユーザーの声をどう本業につなげていくのかということが大事なのでしょう。
でも、今その答えをみんなが探していると感じています。

最近の私の考えは、コミュニケーションに関わる組織をしっかりと企業内部に作る時が来たと思っています。コラムやtwitterやface bookなど多くの場合、企業の誰かが少人数で始めることが多いのですが、これからは組織の中で、企業経営につなげる仕組みが必要な段階に来ているのではないかと思います。

仕組みを作る上でまず3つのチームが必要だと思います。
1 ユーザーとのコミュニケーションを行うチーム。このチームはコンテンツも考える。表層的な盛り上がりの話でなく、企業の未来を提示していく必要があるでしょう。
2 社会の声を社内に伝えていくチーム。このチームは社内のコミュニケーションを担当する。分析したことを、社内の文化に根付かせていくチームです。
3 商品開発やマーチャンダイザーと一緒になってものづくりをするチーム。本業とつなげていくチームです。そしてものづくりのプロセスを公開し、ユーザーとのリレーションを行っていくことも必要です。

この3つのチームに各部署の専門分野のエキスパートを投入。企業の中核に据える必要があります。特に宣伝や広報などもここと密接につながる必要があるでしょう。
これらをひとつの部門として、経営陣と直結していくことで、意思決定のスピードを速めていくことが可能になります。ユーザーとの関係が単に会話で終わるのでなく、そのことが企業の商品開発やサービスの開発に確実に反映してこそ、ブランドは確立されていくのです。

そして共感の仕組みが、本業に反映される仕組みに進化することが、さらなる共感と信頼をつくることになるでしょう。

アンケートと合意形成 comments(0) trackbacks(0)
潜在意識をどう可視化するのか
 アンケートは潜在意識を読み込むことだと言われます。しかし一体どうやってそれを読み込むことができるでしょうか。随分前に、カウンセラーの友人からアドバイスをもらった大事な考え方があります。それは、彼が患者さんの状態を見る時に、患者さん自身の分析は参考にはするけれど、あくまでも自分で分析をしていくとのこと。その方法は、事実を聞いていくというのです。たとえば今朝起きてからの行動を教えてくださいとか、最近起きたもっとも気になることを教えてくださいというように、クライアントが考えずに答えることのできるような事実に注力するそうです。その事実の積み上げから、その行動とつながる、潜在意識を分析していくというのです。このことは私にとっては大きなヒントになりました。
患者さんは、考えてしまうような質問をしてしまうと、優等生になって、こちらの意図を考えてしまうともいいます。結果的に本当の姿を見つけることが難しくなるそうです。

それ以来、私は、どうして、とか好きですか、嫌いですかといったような質問はしないことにしています。例えば家事のアンケートであれば、朝起きてから寝るまで、何をどのくらいしたか。どこで、誰と、何を、といったような事実を聞いていくことでその実態を分析しようと心がけています。その事実から読みとれること、それが仮説となり、その仮説をまた確かめるためのアンケートやコラムを繰り返していきます。深層心理は、その事実につながる意識を見つけていく作業と言えます。あくまでも仮説を作ることなのですが、繰り返すことによって、その仮説はより確からしいものになるのです。

ちなみに、アンケートを設計する時に担当のMDなどからは、嫌いな理由を聞いてくださいとか、何色が好きか聞いてくださいとか、言われることがありますが、それは聞いてもそこらは何も潜在意識を見つけることはできないと考えた方がいいでしょう。回答者に考えさせてはいけないのがアンケートの基本だと言えます。
アンケートと合意形成 comments(2) trackbacks(0)
仮説に基づいたクロス集計に価値がある

アンケート分析するには定量分析、かつクロス集計を多用するほうが効果的だと考えています。この件については以前も少し書いたことがあります。フリーコメントやテキストマイニングは時間も費用もかかるし、しかもそこからの読み込みには専用の解析ツールが必要になりますが、定量分析は簡単にエクセルなどの表計算ソフトで解析、さらに属性ごとのクロス集計をつかうことで新たな視点を見つけやすくなります。
そもそもアンケートでは何かしらの仮説をもってその検証を行うことが大事だと、私は考えていて、まったくのフリーコメントからなにかを発見するのには相当な修練が必要になってきます。
また回答者の方も、さまざまな視点があり、答えが拡散しやすくなってしまいます。ある程度同じカテゴリーの中で、つまりある切り口に基づいた設問に対して回答するような工夫も考えることが大切です。

もちろん定性分析を否定している訳ではありません、有効な場面もあります。たとえばキャンペーンやプロモーションのキーワードを作成するなどについてはとても効果的なアプローチではあるでしょう。
また、商品開発の初期の段階で、まずは全体をみるため、または次のアンケートをつくるためのアンケートなどについてはフリーコメントも有効になると思います。よくそのアンケートの目的を見極めて行っていく必要がありそうです。

アンケートと合意形成 comments(0) trackbacks(0)
アンケートは不満を聞いてはいけない
アンケートでは不満を聞いてはいけない

目的にもよるが、もし多くのユーザから商品開発や新たなサービスを作り出そうとするなら決して不満や不具合を聞いてはいけないでしょう。なぜなら、多くの不満を聞いてその課題をすべてクリアするには様々な対立する課題を解決していかなければならなくなります。

そもそもアンケートで、不具合や不便などをきけばたくさんの意見はあつまります。機能についても便利な方がいいに決まっています。しかしどうでしょうか、その課題を解決するとなんでもそろっている商品はできるのでしょうが、しかしそれが魅力的な商品には思えません
私がいつも心がけているのは、不満より満足していること、不足より足りていること、または必要のないと感じるもの、こうしたことをなるべく聞くように心がけています。デザインとは機能を付け足していくのでなく、いらないものを削ぎ落としていくことの中にヒントがあると思うからです。そう考えると世の中にある多くのアンケート、どこか違うなあと思います。
アンケートと合意形成 comments(0) trackbacks(0)
伝える力
ものを考える力とものを伝える力、その力はどうも違うようだ。
どんなにいいものを考えても、そしてどんないい商品を作ったとしても、それをうまく伝えていかなければ、まわりに理解されないし、買ってももらえない。
では一体どうやってその力をつけたらいいのだろうか?

伝える力は、コミュニケーションの技術に密接に関係する。よいコミュニケーションとは、まずは会話が続くということだ。投げたボールがきちんと帰ってくるという関係が大事なのだ。当たり前のようなこの話だが、現実を見てみるといかにコミュニケーションが途切れいているWEBコンテンツがおおいことだろうか。何を言いたいのか、そしてそれを見たユーザーは何を考えてどう反応してほしいのか、そんなことをまったく無視しているWEBがたくさんあるように思える。もちろん自分も含めて常に反省して行かなければならないのだが、本当にユーザーとのコミュニケーションが途切れていないのか、もっともっと考えなければならない。

WEBはうまく使いこなせば、極めて告知媒体としては費用対効果の大きいツールと言える。ものを伝えるためには、WEBというツール、その可能性は無限で、まだ始まったばかりと思えてならない。投げたボールが帰ってくるように、そして受けたボールはかならず返すように、これがコミュニケーションの基本だ。そしてこの積み重ねがものを伝える力となってくる。
アンケートと合意形成 comments(0) trackbacks(0)
ファシリテーターという役割
 合意形成をしていくのに必要なのはファシリテーターという役割の人だ。参加者に「今なにを考えることかを明確にしていく」そして「でてきた答えや意見をまとめていく」人だ。次の展開が創造的になるようなわかりやすく情報を整理してくれる人だ。あくまでも情報の整理に徹することが大事だ。

 このことは、車の運転にたとえるとわかりやすい。運転するのは参加者、ファシリテーターは道路の掃除や整備をして走りやすい状況をつくる人だ。時にはナビゲーションのように交通渋滞や工事中などの有益な情報を提供することも必要だし、どうしてもというときには、新しい道をつくったり、橋を渡したりというのも必要だ。だが運転しているのは、あくまでも参加者、ここがおもしろい。右にいくのか、左にいくのか、それは参加者が、または参加者同士がきめていくのだ。ここに合意形成の醍醐味があるように思える。答えはきまっていないし、誘導してもいけない。さらにWEBの良いところは、一人の声の大きな人になびいてしまうようなことはまずおこらない。多くの人が、ほぼ同時に考え思考し話すWEB上でのこの場では自然と全体がひとつの答えをだしていくようになるからおもしろい。
 WEBでの合意形成、予期しないいろいろなおもしろいことが起きるのだが、何人かで行う会社の会議とはあきらかに違うプロセスを歩んでいく、そこでは全員参加で、しかも思わぬほど創造的な意見が次々に生まれてくる、全員でなにかがうまれていくという感覚を手にすることができる。ぜひともこの感覚をみんなにも味わってもらいたいと思っている。

 ファシリテーターという役割、そこにはたくさんのスキルを必要としているが、しかしだれにでもそのスキルさえ身につければできるのである。
アンケートと合意形成 comments(0) trackbacks(0)
暮らしの研究とWEBコミュニケーション
僕の仕事のテーマはは暮らしの研究。しかしずっと書いている「WEBコミュニケーション論」とはどうつながっているのか?もう一度触れておきたい。

つながりは偶然とも言えるのだが、今ではその2つは切っても切れない関係にある。モノを売ってるどんな企業も「モノがどんな暮らしの中で使われていくのか」ということを考えなければなかなかモノは買ってはもらえない。モノの背景にある暮らし方を語る必要があるのだ。その背景の暮らし方に共感するからモノを買う。であるなら、企業にとって、その共感をどうつくるのか、その背景をどう伝えていくのか、そこのほうが大事ではないかとということになってきた。偶然繋がってきた暮らしの研究とWEBをつかったコミュニケーションの仕方、この2つはともに大事な研究テーマになってきたのだ。

冒頭に書いたが、僕は建築家、住まいを研究することからすべてが始まっている。無印良品の家というのを開発してきた。家を建築として考えるとそれは箱のデザインとして始めは考えてきた、しかしそのうち、その中身つまり暮らしを考えることが大切だと思ってきた。そうして2年ほど前からユーザーの行動や意識を知ろうとWEB上で始めたアンケートだったが、このアンケートをやる度ごとにPVがあがり、メールマガジンへの投稿なども増えていったのだ。そのころから、聞くことは最大のコミュニケーションではないか、そして何をどう聞くかが大切なのではないかと思い始めてきた。

さらに「聞く」ことについても自分の中で変化が生まれてきた。始めは聞くことで調べよう、教えてもらおうと思っていたが、徐々にユーザーと一緒に考えるほうが理解が深まり、よいアイデアが生まれると気付き始めた、一緒に考えることで共感が生まれていくという理想的な仕組みにもなっていった。

そのプロセスで一緒に考えるためにはユーザーが判断しやすい状態や材料を整備することが必要になってきた、そこでうまく活用できたのが間取り図であった。建築を勉強してきたことが功を奏した。これはモンタージュ写真をつくる時のひとつひとつの素材をつなぎ合わせて行くように、言葉では表現できない、わからないものを間取りを見せることによって、瞬時に判断できるのだ。この方法はかなりうまくいった。
下の図は一例だが、間取りを書くことで、暮らし方のイメージはより具体的になる。



こうして進めてきたコミュニケーションの仕方、いろいろな発見がありきっと他の企業にとっても有効な手法だと思う。暮らしの研究については、また時期を見て話そうと思うが、まだもう少しコミュニケーションのしかたについて、議論を深めて行きたいと思っている。


アンケートと合意形成 comments(0) trackbacks(0)
CRM(カスタマーリレーションシップマネージメント)
先日(11月13日)顧客価値創造セミナーで話をさせてもらった。とても面白かった。サントリー、ネスレー、楽天、パナソニックの方々がスピーカーとして参加、私は無印良品の事例をお話した。このブログで展開している内容の一部を紹介させてもらった。
このセミナーの主催、参加者は企業の中でCRM(カスタマーリレーションシップマネージメント)に関わる方々が対象。一般的には、コールセンターといわれている部署に属している方や、お客様室という部署が通常このあたりのことに関わっている。

ネスレーで紹介されていた事例は見事なものだった。ちょっとしたクレームやご意見に対応する時間をできるだけ引き延ばし、楽しい会話をしながらお客様の気持ちや日常の行動を巧みに聞き出して行く、そこから商品開発や宣伝などにつなげられるキーワードを導きだして行くのだ。スタッフの教育やマネージメントの仕組みもすばらしいものだった。

しかし私が提案する方法は、こうしたものとは少し視点が違う、コールセンターで行うCRMをあえてパッシブ(受動的)と言わせてもらうなら、私が提案したいのはアクティブ(能動的)CRMと言いたい。
WEBを使ってアンケートを行い、コラムを書き、さらに頂いた意見をWEBで掲載しながら、共感の仕組みを作って行く、以前に書いた参加者との間で合意形成をしていきながら、商品開発や宣伝にもつなげていくことができる、それは企業への価値を一緒に創りだして行くこようなものだ。共感できるメンバーがどんどん募ってできる+の意識の積み重ねによってうまれる企業価値こそ、これからの時代に求められる必要なCRMと言えないだろうか。

このコミュニケーションの運用面において重要なポイントは組織的な対応よりも一人の責任者に権限を委譲しながら一気通貫して顧客対応をするべきである。WEB上での顧客とのコミュニケーションにおいては、組織内での承認などは、時間的なロスにしかならない。「おはよう」と言われれば「おはよう」と返すのがコミュニケーションの基本だ。スピード、そして共感が大事なキーワードだ。リアルな世界の1対1のコミュニケーションはWEBというバーチャルな中では1対100万人のコミュ二ケーションでも可能だ。しかしそのコミュニケーションの質については顧客は敏感だ。だからこそ1対1の対応をおろそかにしてはいけない。ヒューマンな態度を忘れてはいけないのだ。そして恐ろしいことに、日々の企業の内部での活動やそこでつくられる企業内の価値観が、顧客とのやりとりで、ほんの少ない言葉の中でかい間見えてくる瞬間でもある。顧客はなんでも見えているのだ。

この数年間で発達したWEBはとても便利な顧客とのコミュニケーションツールだ。しかもアクティブなこのツールは、使い方によっては顧客と発信者との壁をなくし、一体となって合意形成へと向かう。

このツールをもっとうまく活用するべきだ。

追伸:会場でも質問を受けましたが、時間がありませんでした、どうぞご質問のあるかたは、プロフィールのメールアドレスにどうぞお送りください。
アンケートと合意形成 comments(0) trackbacks(0)
よいアンケートのつくりかた2
ここで話していることはWEBをつかってのコミュニケーションが前提である。アンケートについも同様で、あくまでもWEBをつかって行うことを前提にしている、かつて行ってきたアンケートは回答は5000人から10000人という膨大な数であった、ここでのコメントもそうした規模を想定しての話である。つまりアンケートはつくることも大事だが集計のしやすさや、そこから導きだしたいものを始めから明確にしなければ、数だけ集めても回答を読み込むことは大変な作業になってしまう。まちがっても自由記入欄を読み込むような設計をしてはいけない。
少人数で行うグループインタビューやモニター調査などでのアンケートではまた別の方法がある。

さて今回伝えたいことは、
アンケートはデザインで決まる。美しいデザインが必要である。デザインとは設計であり、美しいとは、論理的に矛盾がないということ、論理的というのは「もれなく」「ダブりなく」ということが基本である。答えやすく、さくさくと進められるようにつくりたい。設計は明解な仮説にもとづき、検証したいことが導きだされるようにしなければならない。

せっかく聞いたのに、よく検証できずに、同じようなことをもう一度聞くはめになったり、細かく答えてもらったのに、どんな答えを導きだしたいのか不明解で、次のステップへうまく使えないアンケートになるのはなんとしても避けたい。目的、仮説は明解にすることだ。

明解であるが故に、仮説と違うことが浮かび上がってきたときには、大きな発見があるし、楽しみがある。また仮説があっていたとしても裏付けるための詳細なデータには大切な意義がある。だいたい今までの経験でも、仮説通りに答えがでるのはまれで、あえて言えば、仮説との違いがアンケートをする価値だ。しかしそれは事前によく考えられたアンケートだからそうした価値を手に入れられることになる。

よいアンケートとはよいデザインである。
アンケートと合意形成 comments(0) trackbacks(0)
| 1/2 | >>